医療保険を安くする方法5選!保険料の相場と賢い節約術をプロが解説
医療保険を安くする方法5選!保険料の相場と賢い節約術をプロが解説
「私が毎月払っている医療保険、これって高いの?安いの?」
「家計のために固定費を削りたいけど、保険料ってどうにかならないの…?」
家計を見直す中で、多くの方が聖域のように感じつつも、重くのしかかるのが医療保険料ではないでしょうか。
もし、あなたが月々5,000円の保険料を払っているとしたら、年間6万円、10年で60万円ものお金を支払うことになります。
「でも、保障を減らすのは怖いし…」
その気持ち、痛いほどわかります。
しかし、もし、その保険料が「保障の質はそのままに、年間3万円になった」としたら、どうでしょう?
浮いた3万円で、家族と美味しいものを食べに行ったり、欲しかった洋服を買ったり、コツコツ投資に回したり…。
夢のような話に聞こえるかもしれませんが、これは決して大げさな話ではありません。
保険の仕組みを少し理解し、選び方を工夫するだけで、保険料は驚くほどスリムにできるのです。
こんにちは。お金と家計のプロ、ファイナンシャルプランナーです。
この記事では、これまで数多くの方の保険見直しをお手伝いしてきた経験から、今日から実践できる「医療保険料を賢く節約する5つの方法」を、その理由から具体的なアクションプランまで、徹底的に解説します。
もう「高いけど仕方ない」と諦める必要はありません。
あなたの家計を圧迫する”ぜい肉”をそぎ落とし、筋肉質で価値のある保障を手に入れる旅へ、ご案内します。
目次
- 【まずは現在地を知る】年代・性別ごとの医療保険料の平均相場
- 【なぜ安くできる?】保険料が決まる「カラクリ」を3分で解説
- 【本題】医療保険料を賢く安くする方法5選
- 【要注意】保険料を安くするときの「落とし穴」
- まとめ:保険料の見直しは、家計を強くする「自分への投資」
【まずは現在地を知る】年代・性別ごとの医療保険料の平均相場
節約の話に入る前に、まず最も気になるであろう「みんなは一体いくら払っているのか?」という問いにお答えします。
自分の保険料が、世間一般と比べてどの位置にあるのか。
この「現在地」を知ることが、見直しの第一歩です。
データで見る!年代別の年間払込保険料(全生保)
生命保険に関する調査を行っている「生命保険文化センター」のデータを見てみましょう。
以下は、生命保険(死亡保険や個人年金など、医療保険以外のものも含む)に加入している人が、年間でどれくらいの保険料を支払っているかを示したものです。
▼生命保険の年間払込保険料(男女・年齢別)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 14.5万円 | 11.2万円 |
25~29歳 | 19.3万円 | 16.0万円 |
30~34歳 | 22.8万円 | 18.2万円 |
35~39歳 | 27.6万円 | 20.3万円 |
40~44歳 | 25.1万円 | 21.0万円 |
45~49歳 | 26.6万円 | 21.9万円 |
50~54歳 | 28.5万円 | 22.0万円 |
55~59歳 | 29.5万円 | 22.1万円 |
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
いかがでしょうか。
この金額は、あくまで死亡保険などを含む全体の平均値ですが、ご自身の年間保険料と比較してみて、何か感じることはありましたか?
注意:平均額はあくまで"他人"の数字。あなたの「適正額」とは?
ここで一つ、非常に重要なことをお伝えします。
この平均額は、あなたの「適正額」ではありません。
なぜなら、必要な保障は人それぞれ全く違うからです。独身で貯蓄が豊富な人と、小さな子どもが3人いる世帯主とでは、備えるべきリスクの大きさが天と地ほども違います。
このデータは、あくまで「自分の保険料、もしかして払いすぎかも?」と気づくためのキッカケとして捉えてください。
本当に大切なのは、この後の章で解説する「節約の物差し」を使って、あなた自身の保険を正しく評価することなのです。
【なぜ安くできる?】保険料が決まる「カラクリ」を3分で解説
「そもそも、保険料って何で決まってるの?」
この根本を理解すると、なぜ保険料が安くできるのか、その理由がストンと腑に落ちます。
スーパーで売っている野菜の値段を想像してみてください。
保険料も、これと非常によく似た構造をしています。
医療保険の保険料は、大きく2つのパーツから出来ています。
- ① 純保険料 = 「商品の原価」
将来、保険金を支払うための元手となるお金です。
野菜で言えば、「野菜そのものの値段」。年齢が若く健康な人(=病気になる確率が低い)ほど、この原価は安くなります。 - ② 付加保険料 = 「お店の運営経費」
保険会社のスタッフのお給料、立派なオフィスの家賃、テレビCMなどの広告費、といった経費です。
野菜で言えば、「スーパーの運営コスト(人件費、店舗の家賃、チラシ代など)」。
保険料 = 純保険料(原価) + 付加保険料(経費)
同じ野菜でも、畑の横にある無人販売所と、都心の一等地にある高級デパ地下とでは、値段が全く違いますよね?
保険も全く同じです。
つまり、保険料を賢く安くするコツは、
- 「純保険料」を自分仕様に最適化する(=保障内容を見直す)
- 「付加保険料」が安い保険を選ぶ(=保険の"買い方"を工夫する)
この2つのアプローチにかかっているのです。
それでは、この考え方に基づいた具体的な5つの方法を、いよいよご紹介します。
【本題】医療保険料を賢く安くする方法5選
お待たせしました。
ここからがこの記事の核心です。あなたの家計を救う、5つの具体的なアクションプランを一つずつ見ていきましょう。
方法1:保障内容を「断捨離」する【最も効果的!】
保険料に最もダイレクトに影響するのが、保障内容です。
FPとして多くの方の保険証券を拝見しますが、「これは本当に必要ですか?」と聞きたくなる保障が付いているケースが非常に多いです。
「不安だから」という感情で保険を選ぶのを、今日で終わりにしましょう。
「これは、私の人生に本当に必要か?」という冷静な視点で、保障内容を仕分け(断捨離)していくのです。
▼ チェックポイント①:不要な「特約」を外す
あなたの保険証券の「特約」の欄を見てみてください。
例えば、「通院特約」が付いていませんか?
退院後の通院で1日5,000円がもらえる、という保障です。
一見するとありがたいですが、そのために月々500円の保険料を払っているとしたら、年間6,000円の負担です。
1回の通院での自己負担は数千円程度。そのために年間6,000円を払い続けるのは、本当に合理的でしょうか?
この特約を外すだけで、年間6,000円が浮きます。それで、少しリッチなディナーに行けますよね。
このように、「貯蓄で十分対応できる小さなリスク」にまで保険で備えるのは、お金をドブに捨てているようなものです。
【内部リンク】 どの特約が必要で、どれが不要なのか。特約の断捨離はこちらの記事で徹底解説しています。
☞ 医療保険の特約はどれが必要?人気5大特約を徹底比較【いらない特約も解説】
▼ チェックポイント②:「入院日額」は過剰ではないか?
「入院したら個室に入りたいから、日額は10,000円にしています」
これもよく聞く話ですが、少し立ち止まって考えてみましょう。
日本の「高額療養費制度」を使えば、一般的な所得の方なら、医療費の自己負担は月々9万円程度に収まります。
もちろん、差額ベッド代などは別途かかりますが、その全てを保険でカバーする必要はあるでしょうか。
例えば、入院日額を10,000円から5,000円に下げるだけで、月々の保険料は1,500円~2,000円近く安くなることもあります。
年間にして、約2万円の節約です。
「万が一の差額ベッド代は、この節約して浮いた2万円を貯めたお金から払う」という考え方も、非常に賢い選択です。
方法2:「掛け捨て型」に絞って保険を探す
「どうせ払うなら、将来お金が戻ってくる方がいい」
その気持ちはわかりますが、これが保険料を高くする大きな要因です。
お金が戻ってくる「貯蓄型医療保険」は、保障の原価(純保険料)に加えて、「貯蓄のための積立金」も上乗せして支払っている状態です。当然、保険料は高くなります。
保障と貯蓄は、きっちり分けて考える「セパレート思考」が、現代の家計管理の鉄則です。
- 保障 → 保険料が安い「掛け捨て型」で、効率よく確保する。
- 貯蓄 → 利率の良いNISAやiDeCoなどで、主体的に資産形成する。
同じ月々1万円を払うなら、貯蓄型保険で年間利回り1%未満の運用を保険会社に“お任せ”するよりも、掛け捨て型保険に3,000円を払い、残りの7,000円を自分で運用した方が、お金が大きく育つ可能性が高いのは言うまでもありません。
保険は「保障のプロ」であり、「資産運用のプロ」ではないのです。
餅は餅屋に。この割り切りが、あなたの資産を大きく左右します。
方法3:人件費のかからない「ネット保険(ダイレクト型)」を選ぶ
冒頭の「保険料のカラクリ」を思い出してください。
保険料には、保険会社の経費である「付加保険料」が含まれています。
この経費が少ない、つまり“デパ地下”ではなく“無人販売所”に近いのが、「ネット保険(ダイレクト型保険)」です。
▼ なぜネット保険は安いのか?
ネット保険は、対面で営業するスタッフや、駅前の一等地に構える店舗を持ちません。
その分の人件費や家賃が大幅にカットできるため、保険料を安く設定できるのです。
同じ保障内容で比較した場合、対面販売の保険とネット保険とでは、月々の保険料に1,000円以上の差が出ることもザラにあります。
▼ メリットとデメリット
- メリット:
とにかく安い。24時間365日、自分のペースで誰にも邪魔されず検討できる。 - デメリット:
全て自己判断。相談できる相手がいないため、ある程度の知識が必要。
▼ どんな人に向いてる?
これは、風邪をひいた時の行動に似ています。
「この症状なら、いつもの市販薬で大丈夫」と自己判断できる人は、ドラッグストア(ネット保険)で安く薬を手に入れます。
一方、「なんだかいつもと違う、専門家に診てほしい」という人は、病院(対面販売)に行きますよね。
つまり、
「自分に必要な保障は、入院日額〇〇円と、この特約だ」と、ある程度自分で判断できる方にとっては、ネット保険は最強の節約ツールとなるでしょう。
方法4:「健康割引(健康優良体割引)」を最大限に活用する
「あなたの健康が、お金になる」
それが、この健康割引制度です。
タバコを吸わず、血圧やBMI(体格指数)が基準値内の「健康優良体」と判断された人は、保険料が大幅に割り引かれます。
これは、健康な人は病気になるリスクが低い(=保険金の支払いが少ない)ため、その分を保険料に還元してくれる仕組みです。
▼ 割引の条件とは?
保険会社によって基準は異なりますが、一般的には以下の項目がチェックされます。
- 喫煙歴: 過去1年~2年以内にタバコを吸っていないこと。
- 血圧: 最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHg未満など。
- BMI(体格指数): 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で計算される肥満度。一般的に18.5以上27.0未満などが基準。
▼ どれくらい安くなる?
これも商品によりますが、通常の保険料に比べて10%~30%も安くなることがあります。
月5,000円の保険料なら、年間で6,000円~18,000円もの差がつく計算です。
もしあなたが健康に自信があるなら、この割引が使える保険商品を積極的に探すべきです。
そして、今健康でない方も、禁煙や食生活の改善に励むことが、将来の医療費だけでなく、目先の保険料の節約にも繋がるのです。
方法5:保険料の「払い方」を工夫する
これは少し地味なテクニックですが、確実に効果があります。
保険料の支払方法を、毎月支払う「月払」から、まとめて支払う「半年払」や「年払」に変更するのです。
保険会社からすれば、毎月お金を回収する手間やコストが省けるため、その分を割引という形で還元してくれます。
▼ どれくらい安くなる?
割引率は保険会社によりますが、一般的に年払にすることで、月払の総額よりも1%~3%程度安くなります。
年間の保険料が6万円だとしたら、600円~1,800円の節約です。
「それっぽっちか」と思うかもしれませんが、これは何の手間もリスクもなく、手続き一つで実現できる節約です。
ボーナス時期に合わせて年払にするなど、家計のキャッシュフローに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
【要注意】保険料を安くするときの「落とし穴」
「よし、今の保険を解約して、安いネット保険に入り直そう!」
そう決意したあなたに、最後に一つだけ、どうしてもお伝えしたい注意点があります。
安さだけを追い求めると、取り返しのつかない「落とし穴」にハマることがあるのです。
▼ 落とし穴1:安易な解約は絶対にNG!
FPである私の元に、「見直しで失敗した」と駆け込んでくる方で、最も多いのがこのパターンです。
今の保険を解約してから、新しい保険を探し始めた。
しかし、その間に健康診断で異常が見つかり、新しい保険に加入できなかった…。
結果、何の保障もない「無保険状態」になってしまったのです。
見直しの鉄則は、「新しい保険が成立してから、古い保険を解約する」こと。
そして、新しい保険に加入する際は、過去の病歴などを正しく申告する「告知義務」を必ず守ってください。
▼ 落とし穴2:保障の「質」の低下を見逃すな
保険料が安くなっても、肝心な保障内容が劣化していては意味がありません。
例えば、「手術給付金」の範囲が、新しい保険の方が狭くなっていたり、
「がん診断一時金」の支払条件が、実は厳しくなっていたり…。
保険料という「価格」だけでなく、保障内容という「価値」を、必ず天秤にかけて比較検討してください。
まとめ:保険料の見直しは、家計を強くする「自分への投資」
今回は、医療保険料を賢く、そして確実に安くするための5つの具体的な方法を解説しました。
最後にもう一度、5つのアクションプランをおさらいします。
これは、あなたの保険証券の「健康診断チェックリスト」です。
- 保障内容を「断捨離」する
「不安だから」で付けている特約はないか?入院日額は過剰ではないか? - 「掛け捨て型」を選ぶ
保障と貯蓄を分けて考える「セパレート思考」ができているか? - 「ネット保険」を活用する
自分で判断できる保障内容なのに、高い対面販売に加入していないか? - 「健康割引」を利用する
あなたの「健康」という資産を、保険料に反映できているか? - 払込方法を工夫する
手間なくできる「まとめ払い」の割引を検討したか?
この中で、一つでも「ハッ」としたものがあれば、それがあなたの家計の“伸びしろ”です。
完璧を目指す必要はありません。
まずは、クローゼットの奥にしまい込んである保険証券を、机の上に出してみる。
そして、その写真をスマートフォンで撮って、いつでも見られるようにしておく。
その、ほんの小さな一歩が、無駄な固定費を削減し、あなたの家計を強く、そして豊かにする、最も確実な第一歩となるはずです。
※保険選びの基本から全体像を復習したい方は、こちらの総合ガイドもぜひご覧ください。
☞ 【完全ガイド】医療保険の教科書|基本から学ぶ後悔しない選び方
※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。保険の加入・見直しに際しては、必ず契約概要、注意喚起情報、ご契約のしおり・約款をご確認の上、ご自身の判断でご契約ください。
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